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zoom RSS ゆとり脱却 教科書のページ増

<<   作成日時 : 2010/03/31 00:55   >>

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画像小学教科書、理算3割増=さらに厚く、ゆとり脱却−新指導要領に対応・文科省検定
(時事通信社 - 03月30日 17:03)

 文部科学省は30日、小学校で来春から使われる教科書を審査した2009年度検定の結果を発表した。学習内容を増やした新学習指導要領に対応する初の検定で、ページ数(申請段階、B5判換算)は現行教科書に比べ全教科平均で24.5%増加。特に理科は36.7%、算数は33.2%増えた。申請があったのは9教科148点で、すべてが合格した。
 来年4月から全面実施される新指導要領では理科、算数の授業時間が以前より各16%程度拡大したが、ページ数の増加はこれを上回った。学習内容を3割削減した現行指導要領の「ゆとり教育」から、完全に脱却することになる。
 今回の教科書には、新指導要領に基づき、素数(5年算数)、電気の利用(6年理科)などの新たな項目が盛り込まれた。対称な図形(6年算数)、文字を用いた式(同)など、現行指導要領では削除されたが復活した項目も多い。
 また、算数では練習問題が増え、実生活とのかかわりを学ばせる応用問題も充実。理科は写真、図表を多くする傾向が続いた。国語、社会などでは「わが国の郷土と文化を愛する」とうたった改正教育基本法を反映し、日本文化や伝統を扱った題材が増えた。
 現行指導要領に初めて対応した00年度検定の教科書とページ数を比較すると、全教科平均で42.8%増加。理科は67.3%、算数は67.0%も増えている。

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TBS新番組のNスタでも取りあげられていたので一言。

 2002年度実施の学習指導要領から、2008年3月公示の学習指導要領要領(小学校では2011(平成23)年度完全実施)の新学習指導要領移行にともない、新しい教科書が使用される。
 すでに、算数や理科などで先行実施されている内容を盛り込んだ新教科書である。
 Nスタをご覧になった方々の中には、誤解があるかもしれない。
 Nスタでは、2002年度実施の学習指導要領を「ゆとり教育」ととらえ、番組ではこの10年間で学力低下を招いたといった論調だった。

 実は「ゆとり教育」は1980年度から始まっている。学習内容、授業時数の削減をし、「ゆとりと充実を」「ゆとりと潤いを」をスローガンに教科指導を行わない「ゆとりの時間」が取り入れられた。
 つまり、30年も前からゆとり教育は実施されてきたのだ。
 確かに2002年度実施の学習指導要領がその集大成で、学校週五日制・総合的学習・絶対評価などが取り入れられた。
 しかしながら、この2002年度実施の学習指導要領実施直前、学びのすすめ「確かな学力向上のための2002アピール」(2002年1月17日文部科学省)が発表された。
 これは、学力低下などから「ゆとり教育」の問題点が社会問題となったために、苦肉の策としてとられたアピールである。このアピールの中で、学習指導要領は最低基準(理解の進んでいる子どもは、発展的な学習が可能。)とすることで何とか整合性を保とうとした。
 よく、円周率が3.14から3になったとか、台形の面積の計算を取り扱わないといったことが引き合いに出されるが(今回の教科書では復活し必修となった。)、本質はもっと別の所にあると思う。
 いくら円周率を3にしようが台形の計算式を丸暗記しなくても、本来の目的である自ら学び自ら考える力などの「生きる力」を育めれば学力低下はおこらなかったはずだ。
 「詰め込み教育」という言葉が一人歩きしたように、「ゆとり教育」という言葉も一人歩きした。「詰め込み」「ゆとり」だからではなく、本来の教育目的が達成されてこなかった現実を振り返らなくてはならない。
 基礎・基本といいながら、多くの学校で学習以前の問題をかかえ(愛子さまの一件で明るみに出た学習院の学級崩壊状態を例に出すまでもない。http://p-prince.at.webry.info/201003/article_4.html)、最低限度の常識や学力さえも身に付けずに卒業してしまう子供たちを増やしてしまった現実を。
 学校の教育力の低下が招いたことだが、教師と学校ばかりか教育行政の責任も大きい。例えば総合的学習の時間などが有効に機能しないのは、その理念と活用方法がよく理解されていない面にもよる。意欲的で能力のある教師集団で活用されている一方、導入当初何をやったらよいか分からずに他校の取り組みを猿まねしたり、単に学校行事の準備や事後活動などにあてている例は数しれない。
 そして何より、日本が推進してきた子供中心主義の教育方法が、すでに海外で失敗だったと検証された現実から教育行政が逃避してきた点は重大だ。
(足立区学力テスト不正 http://p-prince.at.webry.info/200707/article_1.html など海外での教訓がいかされない現実は多い)

 しかし教師と学校・行政ばかりを責められない。

 日本では、かねてより躾をかねた学校教育が行われてきた。家庭の状況に左右されずに、誰もが等しく社会のルールやマナーを学び、先生やクラスメートといっしょに給食を食べて勉強をしてきた。(この給食というのは、立派な教育活動である。教師は自ら給食費を払いながら、子供たちに食事のマナーを教え、一人ひとりに目を配りながらその子の成長を見つめている。)
 本来家庭で教えるべきことまでも学校が担ってきた。朝登校してから、授業はもちろん様々な校内・校外活動から給食や清掃活動、放課後の部活動に至るまで……。
 そんな学校や教師に、理不尽な要求をする保護者も最近ではめずらしくなくなった。中には、ごく少数だがあり得ない教師もいるのだが、その比ではない。
 「ゆとり教育」というと、教師のためのゆとり、さぼりではないかと揶揄されることがある。少なくともこの10数年、「ゆとり教育」によって教師の負担は増えることすらあれ、減ることはなかった。

 もういいかげん、学校や教師の悪口を言うのはやめよう。
 そして教師も、子供の問題を教師集団で共有し解決を図ろう。保護者をモンスターペアレントと言って忌避したり、畏れ卑屈になることはない。堂々と、言うべきことは言い、聴くべきことは聴く。お互い子供のことを思ってのことなのだから、いずれ分かり合えるはずだ。
 
 問題は学校や教師だけでは解決できない。
 教師と保護者そして地域と協力しながら、行政と一体となって学校の教育力を回復して行かなくてはならい。

 単に教科書を換えればよいという問題ではないのである。

ゆとり教育
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%86%E3%81%A8%E3%82%8A%E6%95%99%E8%82%B2

学びのすすめ「確かな学力向上のための2002アピール」(2002年1月17日文部科学省)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/actionplan/03071101/008.pdf
 とりわけここで、重要なのは2002年実施の学習指導要領での「ゆとり教育」に対して、予防線を張っていることである。
※2 発展的な学習で、一人一人の個性等に応じて子どもの力をより伸ばす
 学習指導要領は最低基準であり、理解の進んでいる子どもは、発展的な学習で力をより伸ばす※
という一文が加えられているのだ。つまり、指導要領を超えた学習、例えば円周率の3.14を使ったり、台形の面積の学習も可能としたのである。
 すでに、この時期には「ゆとり教育」に対する批判が集中し、2002年4月の学習指導要領実施を目前に、批判の回避と文部科学省の方針にぶれはないという苦肉のアピールである。
 当時の文部科学省内での、ゆとり推進派と改革派の対立を如実に表し、学校現場を混乱させる一因となったことは言うまでもない。

横浜市 中学校教科書採択
http://p-prince.at.webry.info/200908/article_1.html

新学習指導要領の先行実施についての保護者向けビラ(小学校編)
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2009/03/16/syohogosya.pdf
新学習指導要領の先行実施についての保護者向けビラ(中学校編)
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2009/03/16/chuhogosya.pdf

改正前後の教育基本法の比較
(平成18年法律第120号) (昭和22年法律第25号)
http://www.mext.go.jp/b_menu/kihon/about/06121913/002.pdf


教育改革の幻想 (ちくま新書)
筑摩書房
苅谷 剛彦

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決め方TV(テレビ朝日)「クラス替え」
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ジョブチューン学校の先生SP!(TBSテレビ)
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